連載感想 俺が好きなど嗤わせる6 (里つばめ)
仕事場とプライベートとのバランスがよい第6回
オフィスで付かず離れずの距離を保つ二人。神谷の家で、神谷は梶に離婚の理由を尋ねる。
- 会議中、会話している時の距離が近い
会社での会議で、梶が、隣に座っている神谷に話しかけるのだけど、そのときの物理的距離がすでに近く見える。寝たことのある者同士の近さか。神谷が梶を見ている時、ちょっと目が大きくなっているしね。
他に、神谷が口を抑えて笑いを堪えていたり、なんか今までとは違う2人で、松田など後輩も、二人の様子が違うことがわかる。
でも、同期エースで、近寄りがたい二人なので、恋愛関係とまでは気づかれていない。 - 前回に続き、梶の紳士っぷりが光る
女性社員が転びかけた時、とっさに肘を掴んで引き起こす梶。自然に体が動くのが、元々なのか、人を大事にすることに慣れているのか、かっこいい。腕を掴んだ梶の後ろで同僚が突っ立っていて、梶と他の人との違いが際立つ。
しかも、手を離し、「悪い」と謝るところが、さらに余裕を感じさせる。床に落ちた書類も一緒に拾っているし。
もちろん、この一連の流れを神谷さんは遠くから見ています。 - 神谷邸のソファに自然と収まっている二人
神谷さんのマンションで、梶は部屋着でソファに座っていて、やはり同じく部屋着の神谷さんがプレミアムモルツを2本冷蔵庫から出している。
これは一体、どういうことですか。。。
前回、神谷は「どうせ続かない」と言っていましたが、パーソナルスペースに梶さん入ってきていますぜ。 - 妹の離婚に落ち込む神谷とそれに気づく梶
神谷と軽口の応酬をしながらも、神谷が落ち込んでいることに気づく梶。相変わらず、察しがいい。
妹が離婚したこと、妹が結婚した時自分と照らし合わせて安心したことを、神谷は吐露する。梶にここまで内面を見せるのは初めてなんじゃないかしら。
それに対する梶の返しが素晴らしくて、神谷の頭に手を乗せ、「女は別れた後元気になっから心配するな」と言う。前を向かせてくれる明るい言葉だなあ。 - 離婚の理由を聞く神谷がかわいい
キスの後、顔が触れんばかりのまま目を見合わせながら、神谷が
「(女は別れた後元気になるって)お前の話?」
と聞く。梶が
「世間一般の話」
と返すと、
「お前の話は?」
と詰める神谷。
ここのやりとり、雰囲気は甘いし、神谷は梶のことをもっと知りたいと思っているしで、とても好きなシーン。
思い返せば第1話では、
「離婚の理由が知りたきゃ俺とつきあえ」
と迫る梶に、神谷は
「浮気ってことにしとく」
と、食いつかずに軽く流していたんですよ。それが、今は自分から聞いているって、心理的な距離が縮まっていることがよくわかる場面でした。 - その他細かいところ
・社内ですれ違う2人を上から捉えているコマ、二人とも足は長いわ、上半身の姿勢はいいわで、眼福。
・ソファに座っているとき、二人が足の位置をいろいろ変えていて、面白い。神谷は、ソファの上であぐらをかいているし、梶は片足ソファに乗っけていたり。確かにソファに座っている時って、あれこれ足組み換えたくなるよなあ。
・神谷がオフィスで、育休明けの同期の女性と話しているとき、
「旦那は育休は?」
と自然に聞いている。制度があるし、男性が育休取得して当たり前な風土の会社ってことで、大変よい。
・上記同僚のご主人が、若い女性部下をひっかけようとしているところを目撃した神谷。足をひっかけて転ばせて恥をかかせた挙句、同僚の名前をちらつかせ、不倫の芽を潰す。はっきり描いてはないが、同僚のためというよりは、格下男子が調子こいているのにむかついたように見えた。あるいは、二股が許せないタイプなのか。
・妹から、離婚を知らせるメールが入った後、すぐ妹に電話をかける神谷。優しいお兄ちゃんなんだなー。
・研修・社内監査ネタは次回以降に繋がるのかしら。
次回はいよいよ、梶が離婚したいきさつが判明するのかな。楽しみです!